コンテンポラリーダンスで使われる曲の紹介|ミニマル・ミュージック編

こんにちは。
コンテのまいかこと上田舞香です。
ドイツにバレエ留学、イタリアにダンス研修を経て、現在は日本でダンサー/講師/振付家/オンラインダンスサロン「コンテンポラリーのツボ」主宰してます。

今回は、コンテンポラリーダンスによく使われる曲を紹介します。
ダンス作品では、さまざまな音楽を聴くことができますが、その中でも相性の良いミニマル・ミュージックから見てみます。

多くの音楽家は複数ジャンルにまたがって音楽を生み出しています。
分かりやすくするためにざっくりとジャンル分けをしました。
ダンス界に首を突っ込んだのなら外せない音楽家。
舞台やクラスでよく聞く音楽家。
個人的に楽曲をよく聞いたり、使ったりしている音楽家。

そんな音楽家や関係する情報をお伝えします。
ではスタート。

外せないミニマル・ミュージック

現代音楽の一種、ミニマル・ミュージック。
ミニマル・ミュージックの第一世代は1960年代に登場しました。
簡単に言うと、「繰り返し」「少しの変化」が特徴的に組み合わさった音楽のことを指します。
以下は、アメリカの代表的なミニマル・ミュージック音楽家4名。

  • Terry Riley(テリー・ライリー 1935-)
  • La Monte Young(ラ・モンテ・ヤング 1935-)
  • Steve Reich(スティーブ・ライヒ 1936-)
  • Philip Glass(フィリップ・グラス 1937-)

なお、フィリップ・グラスは、自身の音楽をミニマル・ミュージックと呼ばれるのは好まず、music with repetitive structure(繰り返し構造の音楽)という方がよいというのは有名です。公式サイトのビオグラフィーで確認できます。

Glass himself never liked the term and preferred to speak of himself as a composer of “music with repetitive structures. https://philipglass.com/biography/

生年を見ると全員同世代だとわかりますね。
ちなみにミニマル・ミュージックという言葉が生まれる以前から、それと同じ特徴を持つ音楽は作られていました。
同時期にミニマル・アートが登場して、それと似たような要素を持つため、ミニマル・ミュージックと呼ぶようになったようです。

artscapeによるミニマル・ミュージックの解説

Kronos Quartet(クロノス・カルテット)

アメリカの弦楽四重奏団。ミニマル・ミュージックに限らず幅広いジャンルの音楽を演奏しています。
上記の4名のミニマル・ミュージック以外にも以下の音楽家の楽曲はよくコンテンポラリーダンス作品で聞くことができます。

  • Arvo Pärt(アルヴォ・ペルト)
  • Michael Gordon(マイケル・ゴードン)

Anne Teresa de Keersmaeker(アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル)

ベルギーの振付家/ダンサー、ケースマイケル氏は多くの作品でライヒ氏の楽曲を使っています。
ダンスカンパニー Rosas(ローザス)
初期の作品で、現在まで何度も再演されている『Fase』にはライヒ氏の4つ楽曲が使われています。
ダンスと音楽、それぞれが独立した形でも成り立つような強さを持っています。

詳しくはこちらで解説、検証されています。ケースマイケル氏のダンスと音楽の関係について詳細に検討されている記事。
『Fase』の各パートが細かく検討されていてもう一度作品を見たくなる素晴らしい記事です。ぜひ読んでみてください。

フィリップ・グラスの楽曲が使われているダンス作品

  • 『Blaubarts Geheimnis』
    • 音楽:Henryk Górecki(ヘンリク・グレツキ 1933-2010)|Philip Glass(フィリップ・グラス)
    • 振付:Stephan Thoss(シュテファン・トス)
  • 『In The Upper Room』
    • 振付:Twyla Tharp(トワイラ・ソープ)
  • 『Glasses Pieces』
    • 音楽:Philip Glass『Rubric』『Facades』『Akhnaten』
    • 振付:Jerome Robbins(ジェローム・ロビン)

『In The Upper Room』
振付:トワイラ・ソープ

『Glasses Pieces』
音楽:フィリップ・グラス『Rubric』『Facades』『Akhnaten』
振付:ジェローム・ロビン

お楽しみいただけたでしょうか。
ミニマル・ミュージックの他にも多くの音楽がコンテンポラリーダンスでは聞くことができます。ダンスと音楽の関係性をたくさん見ることで、新しい魅力が発見できます。

ほかの音楽ジャンルについても今後触れていきますのでお楽しみください。

では、よい一日を。

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